「インプラント」って何でしょう?

見た目も機能性も天然の歯に近い治療法

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インプラントとは、虫歯や歯周病などで失ってしまった歯の代わりに、チタン製の人工歯根を骨に埋め込み、それを土台として人工の歯を装着し、かみ合わせを回復する治療法です。 インプラントは入れ歯のような着脱する手間がないため、限りなく自分の歯と同じような感覚で噛むことができ、見た目も天然の歯のように見えます。 なにより違和感がなく、食事も健康な歯のようにとることができます。 また、他の治療法に比べて、あごの骨がやせていく事がありません。お手入れをきちんとする事で10年以上もきれいに保っている方もいます。

インプラントの構造とは・・・

インプラントは3つのパーツで成り立ちます

[①上部構造]
実際に見える部分はこの部分です。 白いセラミックの被せ物で、天然の歯と同じような自然感があります。

[②アバットメント]
上部構造を支える役割を果たします。通常チタン製ですが、審美性に優れたセラミック製のものもあります。

[③フィクスチャー]
直接、骨の中に埋められる部分で、チタンで作られています。非常に生体親和性が高いため、金属アレルギーの方も安心してインプラント治療が受けられます。

素材に使用されている「チタン」の性質

vlmqqyfvk900-675現在、顎の骨に埋める歯科インプラントの素材としては、ほとんどのメーカーでチタンが採用されています。チタンは下記のような性質を持っており、歯科インプラントに適しているといえます。

■ 身体にやさしい
金属アレルギーの反応が出にくく、生体に対して有害な作用を及ぼしにくい。

■ 強くて軽い
重さは鉄の約半分で、鋼鉄以上の強度がある

■ さびにくい
海水や酸に対しても高い耐食性を示す

※アレルギーについて
ごく稀に、チタンアレルギーを示す方もいます。不安をお持ちの方は、治療の前に歯科医師に相談をしましょう。また歯科を受診する前に皮膚科でご相談してみてください。

歯科インプラント以外で使われるチタン

9sm6ut0wf900-675チタンは、他の金属と比べて極めて高い特性をもつことから、整形外科(たとえば人工股関節)などでも使用されている、とても身近な素材なのです。

<他の医療での使用例>

心臓ペースメーカー、骨折の際に、骨と骨をつなぐボルト、人工関節

<インプラント治療以外の歯科での使用例>

被せ物、入れ歯

インプラントのメリット・デメリットは何でしょう?

インプラント治療は、他の歯に負担をかけることなく、天然歯のような審美性や機能を取り戻すことができる素晴らしい治療法なのですが、やはりデメリットも存在するのは事実です。

当院では、治療の欠点も患者様に説明し、理解していただいたうえで治療方法を選択していただきます。 メリットばかりに目がいってしまいますが、デメリットも把握しておくことが大切です。

インプラントのメリット

他の歯に負担をかけずに失った歯を取り戻せる

ブリッジは他の健康な歯を削る必要があり、入れ歯はバネをかける歯に負担がかかります。

高い咀嚼能力を回復できる

天然歯と同等な咀嚼力を回復でき、かたい物でもよく噛めます。よく噛めるということは、脳への刺激や消化器官をはじめ、全身の健康に大きなメリットとなります。

違和感がない

入れ歯のような違和感はなく、自分の歯と同じ感覚で噛めます。

審美性が高い

天然の歯と同等な見た目を回復できる。

インプラントのデメリット

手術が必要になる

ブリッジ・入れ歯といった従来の治療法とは異なり、インプラントは外科的手術が必要になります。 あらゆる手術でも同じことが言えますが、外科手術には、必ずリスクが伴います。 また、全身疾患をお持ちの患者様は、事前にかかりつけ医師との相談が必要になります。

治療期間が長くなる

インプラントの機能性の高さは、インプラントが骨と結合することで得られます。 インプラントを埋入してから、顎の骨と結合するまでに3~6か月の期間を要してしまうため、インプラント治療はどうしても期間が長くなってしまいます。

メンテナンスが必要

インプラントは治療が終わってからも通院が必要になります。 なぜなら、インプラントを長持ちさせるためには、ご自身で行うセルフケアだけでは不十分だからです。歯科医院でプロフェッショナルケアを受ける必要があります。 また、当院では治療後のトラブルに備えて保証制度がありますが、これは定期的にメンテナンスを受けることが保証の条件となっています。 たとえインプラントでなくても、継続的なメンテナンスは口の中の健康維持には不可欠です。

失敗する可能性がある

たとえ治療が成功したとしても、メンテナンスをしっかり行わなければ、細菌感染によりインプラントが抜けてしまう可能性があります。 歯周病は歯を失う原因の一つですが、インプラントも天然の歯の歯周病の状態と似た「インプラント周囲炎」を起こすことがあります。 歯周病よりも進行しやすく、インプラント失敗の大きな原因となっています。 インプラントの失敗を防ぐために、メンテナンスをしっかり行うことが大切です。

歯を失った時の治療法を比べてみました!

インプラント VS 入れ歯 VS ブリッジ

インプラントの特徴

dpo7pccfv900-675[ 長所 ]
・かみ合わせの安定を長期間保つことができる。
・失った歯の数が多い場合にも咀嚼能力を回復できる。
・健康な歯を犠牲にする必要がない。 ・自分の歯と同じように見える。
・自然の歯と同じような機能が期待できる。
・失った部分のアゴの骨がなくなるのを防ぐ。
・適切にケアすれば十分長持ちする。

[ 短所 ]
・治療期間が長くかかる。
・手術が必要とするため適応とならない場合がある。
・保険適用外のため費用がかかる。
・高度な熟練、滅菌システム、精度の高い技巧操作などが必要である。

入れ歯の特徴

77iaqwk77900-675[ 長所 ]
・短期間であれば、咀嚼機能をある程度回復できる。
・比較的短期間のうちに機能回復ができる。
・病気がちの方でもケアしやすい。

[ 短所 ]
・入れ歯を支える骨や歯の喪失を招きやすい。
・新たに歯を喪失する危険性が増す。
・長期間の使用によりアゴの骨が次第に失われる。
・数年ごとに作りかえ、または調整を必要とする。
・安定したかみ合わせを長期間維持することが出来ない。
・装着による違和感を生じやすい。
・自然な外観を損ねることが避けられない。
・発音が思うように出来ない場合がある。
・アゴの骨がやせた人の場合には安定が得られにくい。

ブリッジの特徴

jdogoh4ga900-675[ 長所 ]
・自然の歯と同じような外観を回復することが出来る。
・自分の歯と同じように咀嚼できる。
・かみ合わせを回復することができる。

[ 短所 ]
・土台となるしっかりとした歯が両側にないと出来ない。
・失った歯の数が多いと治療できない。
・土台となる健康な歯を削らなければならない。
・土台にした歯に負担がかかる。 ・複雑になるので清掃性が悪くケアしにくい。
・歯周病になりやすい。
・新たに歯を喪失する危険性が増す。
・セラミックを使った審美性の回復には保険の適用を受けることが出来ない。

インプラント手術は全身疾患との関連性があります

糖尿病

糖尿病の患者様の治療で考慮する点は、主に以下の2つが挙げられます。

(1)細菌の侵入に対して抵抗力が弱いため、手術を行った部位が感染しやすかったり、傷の治りが一時的にやや遅れる場合もあります。抗生物質の内服など術前から感染対策を十分にしておけば、問題なくインプラント手術は可能です。

(2)自己注射のタイミング
血糖降下剤の内服やインスリンの自己注射をされている場合、インプラント手術当日の内服や自己注射のタイミングに注意が必要です。
必要に応じて、担当内科医と連携し情報共有をします。

一般的に、インプラントは以下の基準となる値を参考に治療が行われます。

  • 術前のコントロール基準値
  • 血糖値(空腹時 150mg/dl以下・ 最高値300mg/dl以下)
  • HbA1c 7~8%以下
  • 尿ケトン体(-)
  • 重篤な合併症がない(腎不全・心血管病変など)

なお、重症の場合にはインプラント治療自体をおすすめしないこともあります。

高血圧

一般的に高血圧症とは最高血圧140mmHg以下・最低血圧90mmHg以下と定義されています。
高血圧患者様に何の準備もせずに治療を行うと、緊張感や不安感のため、血圧が10~30程度上昇したり、最高血圧が190以上に達すると術中気分が不快になったり動悸を訴える場合があります。また、局所麻酔薬の中に血圧を上昇させる成分が添加されています。
患者様のご希望により、無痛鎮静法(点滴麻酔)にて手術をリラックスした状態で受けて頂くことができます。それにより緊張や恐怖心による血圧の上昇を抑制することが可能です。また重度の高血圧症の場合には、必要に応じてかかりつけ内科医との密な情報共有の必要があります。

心臓病

狭心症・心筋梗塞を罹患されたことのある患者様では、血液をサラサラにするためにバファリンやワーファリンなどを内服されています。この薬により手術中に血が止まりづらいことがあります。
以前までの学説では、これらの薬を1週間程度中止しなければ手術ができないと言われていましたが、最近では内服を継続したまま手術を行っても、止血操作を適切に行えば問題はないという報告が増えてます。

  • 狭心症・心筋梗塞
  • 心臓弁膜症などで人工弁置換術を受けた方
  • 重症不整脈で体内型ペースメーカーを入れている方

上記の場合、かかりつけ内科医と連携をとり、安全な手術を行う環境を整えます。

脳梗塞

脳の血管が詰まる脳梗塞になりますと、片方の手が麻痺することがあります。このような患者様が複雑な入れ歯をしていますと、ご自身ではずしたり洗ったりすることが困難になり、ご家族の方のお手を煩わせたり、不潔になった義歯をつけっ放しにせざるをえなくなります。
また、脳梗塞患者様は嚥下障害(食べ物を飲み込みづらくなる)を伴っていることもあり、部分入れ歯をしていますと、誤って飲み込んでしまったり、肺の入り口にひっかかった場合は窒息する危険性もあります。
インプラント手術で注意する点は、脳梗塞の方は血をサラサラにする薬を服用されている場合が多いので、かかりつけ内科医との連携をとって安全にインプラント手術を行います。手術の後1週間ほどすれば薬を再開できますし、その後はその薬がインプラントに影響することはありません。

その他の全身疾患

必要に応じて患者様のかかりつけ内科医との密な情報交換を行い、病状の把握や事前の対応の必要性を加味して手術を行います。

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